何度行っても新しい発見、清水寺界隈をあるく
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定番コースをあるく
五条坂バス停からスタート
今回は、五条坂バス停から四条大橋まで、3時間程度の定番コースを紹介する。
バス停をおりて、五条坂に入りしばらく進むと、道が二股に分かれている。「これより茶わん坂」の石碑が立っているが、初めての人はそのまま五条坂を進むのがおすすめ。多くの観光客で賑わい、歩くのにも一苦労でゆっくり進む必要があるが、何より活気がある。
ベテランや焼き物好きは、茶わん坂へ。京焼・清水焼発祥の地であるこの界隈は、多くの名工を輩出した。突き当たりまで行けば、人間国宝である近藤悠三氏の記念館がある。
さて、五条坂をさらに進むと、また二股に道が分かれている。左手は三年坂(坂といっても階段)、直進すればいよいよ清水寺だ。
意外と広い清水寺
清水寺は778年、坂上田村麻呂によって創建された。平城京(長岡京)から平安京への遷都が794年だからほんの十数年早い。遷都前から清水寺は存在したということだ。
本堂は「懸造り(かけづくり)」と呼ばれる日本古来の伝統木造建築技術で山の斜面に突き出るように建っていて、見所の一つとなっている(2017年2月から50年ぶりの本堂の檜皮屋根の葺き替え工事中)。
この清水の舞台については、晴れの場所という意味を持つ「檜舞台」の語源になったり、思い切ったことを決断するという意味のことわざになったり、江戸時代には願掛けで本当に飛び降りる人が出たりなど、様々な話が残っていてご存知の方も多いと思う。
前途の通り山の上に立っているため、境内の散策はいくらかアップダウンがある、そして何より広い。地主神社、本殿、音羽の滝、奥の院などをグルっと回っても90分はかかるのではないだろうか。1時間では少し足りない気がする。境内には団子を出す茶屋もあるので、利用したい。
ちょっとしたポイント
長きにわたり戦いを繰り返すが、朝廷軍の大将である坂上田村麻呂の強さに、アテルイとモレは降伏する。坂上田村麻呂は、二人を救い、東北の運営を任せるべきと朝廷に提言するが、反対され二人は国に戻ることなく処刑される。碑が建てられたのは最近のことだが、坂上田村麻呂が建立した寺の境内に二人の碑があるというのは、なんとも感慨深い。
来た道を少し戻って三年坂を下る
清水寺を出て参道を下り七味屋を曲がると、三年坂がある。坂の中程にある明保野亭は坂本龍馬の常宿だったという。龍馬の常宿と言えば他に、近江屋、池田屋、伏見の寺田屋などがあった。余談だが、龍馬の行きつけだった、鳥を食べさせる店「鳥彌三(とりやさ)」は今も高瀬川沿いにある。
三年坂を道なりに進むと八坂の塔、右手に現れる二年坂(階段)を下れば維新の道、そしてねねの道にでる。八坂の塔の正式名称は法観寺。これも京に都が移る前にできたお寺で、二年坂を通り越したあたりから八坂の塔を撮れば、これぞ京都という写真になる。
ねねの道から八坂神社、四条通へ
幅広で綺麗な「ねねの道」。ねねとは豊臣秀吉の正妻「おね」のことだ。高台寺は、ねねが亡き夫秀吉の菩提を弔うために立てた寺。そして向かいには、ねねが晩年を過ごした圓徳院がある。ともに庭に定評があり、紅葉の時期が素晴らしい。
通りの突き当たり、大雲院の壁から覗く祇園閣を見つつ京都のアイコンの一つ、八坂神社へ。
境内をぐるりと回って、西楼門から四条通へ出ると、左右にはたくさんの老舗が並んでいる。かづら清老舗の椿油、金竹堂のかんざし、原了郭の黒七味、豊田愛山堂のお香、はれまのチリメン山椒などなど、ゆっくり見て回りたい。
おまけ 夜の祇園をあるく
夜、食事のあとに祇園を散策するのも楽しい。四条大橋を渡って右手に南座を見ながら進むと、一力亭の赤い壁が出てくる。一力亭は、大久保利通や西郷隆盛など幕末の志士達が利用したと言われている高級老舗茶屋。当然一見さんお断り。
赤い壁の手前を右に曲がれば花見小路だ。祇園という花街を垣間見ることができ、観光客に人気がある。思わず写真を撮りたくなりような路地が多く、歌舞練場の周辺をウロウロするのがおすすめ。また、花見小路から四条通を挟んで北側にある巽橋は、撮影スポットとして定番だ。「The祇園」という写真が撮れるし、たまに舞妓さんが辰巳大明神をお詣りしている。
京都旅行と本
浄土真宗開祖 親鸞の生い立ちから、越後へ左遷されるまでを書いた小説。当時の京都の様子がよくわかる。五木寛之[著]
応仁の乱をわかりやすく解説。呉座 勇一[著]
応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書) [ 呉座勇一 ] 価格:990円 |
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